心の扉を開けてみて

チーム医療って何でしょう?そんなことを考え続けてきた私です。

立場チェンジって?①

Mさんは、人工透析のためのシャント手術を受け透析導入、左足を切断し、退院していきました。

私はどれだけMさんに立場をチェンジすることが出来ていたのでしょうか。

--- 本当の立場チェンジが出来るための条件 ---

それには、まずは自分の考えや感情がどのように成り立っているのかを知る必要があります。

そうしないと、目の前の方の心を知ろうと質問しても、その答えを聞く時に自分の考えで、自分の解析で聞いてしまうのです。

Mさんの心

内科医として研修した糖尿病センター。医師人生で初めて主治医として受け持たせて頂いた、糖尿病合併症が進んでいた70代男性のMさん。

-- お前なんかに俺の気持ちが分かってたまるか、バカヤロウ‼︎ --

壊疽した足の処置をしている時、大部屋に響き渡る大声で怒鳴るように言い放ちました。

腎臓の機能が落ちてきて、透析導入のため入院していたMさんは、足切断の可能性を指摘されていました。

今でこそ、Mさんの思いに寄り添うということのイメージが持てますが、当時25歳の私には、70代男性の心に寄り添うことは難しかった。

当時の私は、自分の考えや感情が作られる仕組みを知らなかったので、看護師さんからMさんの心についての有効な情報を聞き取れませんでした。

Mさんの心に寄り添えなかったこと、今でも申し訳なく思っています。

ナース控え室

看護師さん達とのさりげない会話の中から得られる患者さんの情報がとても大切と感じ、研修医1年目の私は、夕方になるとナース控え室で看護師さん達とお煎餅をぽりぽりと一緒に食べさせてもらいながら、他愛のない話をよくしていたものでした。

チームとして医療を提供していく

医師と看護師さんやコメディカル同士。

それぞれがまずは1対1で考えや感情が今どのような状態なのかを仕組みで理解し合うことはとても重要ですよね。


若い頃から、- 心、考え、感情-が何なのか、その-本質的な理解-がしたかった私でした。

考えや感情って?

ー心って何でしょう?ー

ー考え、感情はどこからくるの?ー

そんな問いを胸に患者さんたちと向き合っています。

医療スタッフ間の関係性も場合によってはストレスとなって目の前の患者さんに影響を及ぼしますよね。

病気はストレスと密接に関係しています。

ストレスと心の関係。

考え方のクセによって、感情の動くパターンも決まってきますよね?

はたして、考えや感情はどこから来てどこに行くのでしょう。

そんなこと、考えたこともなかった私でしたが、ある方と出会ってスッキリ整理されました。

 

 

心って、なに?

昨年夏、母をがんで見送り、

がんという病気は、ストレスと密接に関係していることを、母の側にいてしみじみ実感しました。

ストレスが多かった母でした。

同じ外的要因が負荷されたとしても、ストレスを受ける側の心のクセによって、ストレスの本人にかかる負荷は違ってきます。

-ストレスと心-

そもそも、心とは何でしょう?

心理学の本を読んで、心の本質を客観的に明確に-理解-している人はいるのでしょうか?

私は心が何であるかが理解したくて、それこそ長いこと、心の旅をしてきました。

日中医師の仕事をしながら、母の病気に娘の立場として寄り添っていました。20年以上も医師の役割りと患者家族の役割りという真反対の役割りをしているうちに、心の本質的な理解がしたいと思うようになっていったのかもしれません。娘が母親のがんに長きに渡って、真正面から向き合うことの難しさを実感しました。

患者家族として感じたこと。

医師として感じること。

母とのことを文章化するのは、なかなか勇気のいることです。

まずは、頭に浮かんできたことから綴ってみようと思います。

心の扉を開けてみて

--心には扉があるんだよ。心の扉には内側にしかノブがついていないのです。だから自分から扉を開けないと、外から開けようとしても開かないのですよ。患者さんが自分から話したいと思うまで、私達には、待つことも必要なのですよ。--

私が心身医学を学んだ時の師匠が教えて下さいました。

なんて素敵な言葉でしょう。

そんなことを思いました。


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-心-とは何?

-真の健康-とは、何でしょう?

-正しく知る-こととは、何を知ることでしょう?

私は内科系 心身医学の専門医です。

昨年夏、20年以上がんで闘病した母を見送りました。

長きにわたって闘病している母の側にいた私。それはそれは様々な言葉にならない思いが交錯しました。


気持ちの整理が出来た今、心の扉を開けてみようと思います。

ブログを開設してみます。

今ここ感じていることを綴ってみようと思います。